バイリンガル育児日記 第36話  

ドイツ・ニュースダイジェストに連載中のコラム。

今回は、校正前の生原稿を公開。新聞に掲載される前はこんな文章です。

 

「浴衣・夏の思い出」

私は着物が好きですが、よっぽど特別な席でしか着る機会がなくて残念に思います。

ドイツに来る際に買った着物もこの10年一度も袖を通したことがありません。

正直もったいないと思うのですが。

そのかわり手入れも簡単で手軽に着られる浴衣はちょっとしたパーテイーやお呼ばれの席で活躍しています。

先日は地元の障害児が通う学校にお呼ばれしました。ワールドカップ開催にあわせて、参加国の事について子供たちが勉強したそうで、「日本」をテーマに勉強をしたというクラスをたずねました。

私は今まで障害のある子供たちと接する機会がほとんどなかったのですが、日本の事について話すのにやはりビジュアル的にわかりやすくて面白いものを、と思って、浴衣を持っていき、子供たちの前で説明しながら自分で着付けしてみました。

「これは夏に着る着物で、浴衣というものです。着物がこんなに長いのは、昔の人が室内で裾を引いていた名残りで、戸外へ出るときにこうやってたくしあげて着たんですよ。」なんて、気分はすでに「Sendung mit der Maus」(*注・ドイツの有名な子供番組)

これが大好評で子供も先生たちも興味深く聞いてくれました。

浴衣姿でいるだけで、外人から見ると「すごくお洒落をしている」ように見えるというのが面白い。

そして、里帰り中に買った反物で新しい浴衣を仕立てました。日本に住んでいた頃は母に手伝ってもらってようやく一つ仕上げたのですが、今回初めて一人で仕立てたので、出来上がったときは多少興奮気味。我が家の子供達の反応は、当然のことながら、薄い。

母親の浴衣姿などどうって言うことはないらしく試着して家の中をウロウロしていたら、冷ややかな目で見られてしまった。

長男ケノ(8歳)は小さいころはおばあちゃんの作ってくれたウルトラマンのプリントの甚平を喜んできていたものですが、今は着物風のものは恥ずかしがってくれなくなって少しさみしい母なのでした。

 

Izumi

2006 studio-izm

 

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